蓮三のパンは、その全てが天然酵母のみで発酵させて作り上げています。イーストを使用することはありません。現在使用しているのは、ヨーグルトから起こしたヨーグルト種、原種の仕込から発酵を経て何度か種継を繰り返し天然酵母は育っていきます。そうやって何日もかけて育てられたパン生地は、手作りのレンガ窯で焼き上げられていきます。毎日薪をくべて余熱が残るパン窯は、約1時間半でパンが焼ける状態へと温められていきます。「おき」をかき出し、きれいに掃除した窯床に直接パンを乗せて焼き上げます。
窯出しの瞬間、至福のひと時を迎えます。パチパチとさかんに産声を上げるパンたち。何ともいえない悦びのひと時です。
「“安心して食べていただけるパン”“昔ながらの素朴で味わいのあるパン”そういうパンを作りたい。」 そう思って毎日窯をたいています。
蓮三のパンはすべて、こだわりの自然素材のみを使用しています。添加物は一切使用していません。
ですので小さなお子様からお年寄りの方まで安心してお召し上がりいただけます。
基本的に、お酒になるものなら、果物でも穀物でも野菜でも天然酵母として使用することができます。
当店では、発酵力と安定性、癖のなさでヨーグルトを使っています。
元種の発酵に2〜3日、液種だけで種継ぎで1日、さらに液種で種継ぎ1日、粉と水を合わせて1日、さらに粉と水を足して1日、それで酵母の出来上がり。ここまで7日、この作業を毎日行います。
最高の酵母ができますように、祈りを込めて・・・
ライ麦以外はすべて国産小麦を使用しています。
【熊本製粉】九州産プレミアムT
国産石臼挽粉、国産石臼挽全粒粉、石臼挽ライ麦粉
【平和製粉】春よ恋、きたのかおり、夢ちから(北海道産)
基本的に体に吸収しやすい白砂糖は使用していません。きび砂糖は黒砂糖を精製して白砂糖になる前の段階の砂糖で、ミネラルなどの栄養を白砂糖よりも多く含んでいます。
瀬戸内海の海水で作られた国産塩を使用。カルシウム、マグネシウム、カリウムなど、普通のものより多くの成分を含んでいます。
パンを作る際に使う水はすべて、健康や美容への関心が高い方に話題のアルカリイオン水を使用しています。
【小倉あん】オーガニック(有機無農薬)の小倉あんを使用しています。
【たまご】太陽卵(落水正商店)
フランスの有名なパン屋さん、ポワラーヌの石窯を参考に作りました。薪を燃やす床とパンを焼く焼成床が同じ原始的なタイプの石窯で、温度管理が非常に難しいのですが、うまく焼けたときの喜びは、何ものにも替えがたいものがあります。
いつからどんなきっかけでパンの道に進まれたのですか? | |
20代から30代にかけて、体調不良でずいぶん苦しみました。 絶食療法や玄米青汁などの食事療法で体調が良くなるにつれて、食事の大切さを知り、発酵食品の素晴らしさを知りました。 自分でも味噌や甘酒、発酵堆肥などを作るようになり、そんなとき天然酵母パンと出会いました。 パンは発酵食品なのだと認識を新たにし、その美味しさに惹かれました。 パンはもともと自然の酵母から作る発酵食品だったのです。その自然の酵母が作り出す不思議な世界を体現したくて、パンを作り始めました。 |
パンづくりの魅力、パンづくりのこだわりを教えてください。 | |
パンは生き物です。 というか、酵母そのものが生き物なので、温度・湿度に大きく左右されます。 日々、温度・湿度が変わる中で、どうやって一年中同じ発酵力をもった酵母に仕上げるか、一番苦労するところです。 酵母さえうまくできれば、あとは他のパン屋さんとあまり変わらない。酵母さえうまくできれば、酵母が勝手に美味しくしてくれる。極端な話、そう思っています。 そのためには、毎日種起こしから初めて種継を何度か繰り返し、一週間かけて酵母を仕上げます。普通は一度種起こしをすると、あとは種継を繰り返していくのですが、当店では毎回一から種起こしをし、同じ回数だけ種継をして完成させます。 そうすることで強い発酵力と、酸味が無く風味が良い美味しい酵母になります。 小麦粉は、ライ麦以外は国産(北海道産と熊本産)を使っています。 |
おすすめのパンやご自身が好きなパンを教えてください。 | |
ハード系のパンがおすすめです。 フランスパンや、カンパーニュの生地を使った派生商品、ドライフルーツ(いちじくやレーズン、クランベリーなど)やナッツを混ぜ込んだり、クリームチーズやその他のチーズを合わせたり、じゃがいもやベーコン、エビなどと合わせたり。最近は世界各地のチーズを取り寄せて使ったりしています。 生地がシンプルなだけに酵母の風味が感じられ、いろんな材料と合わせることで無限にバリエーションが広がります。 |
お店の所在地について、その場所を選んだ理由は何ですか?その場所のどこが好きですか? | |
もともと雲仙市の自宅の裏庭に、石窯と小さな工房を作って営業を始めました。 電話で場所を説明してもなかなかたどり着けないような場所で、卸売りのみの販売でした。 徐々に話を聞きつけて家にもお客様が来られるようになったので、週末のみ自宅で販売するようになりました。 10年過ぎたころ、取引先から諫早に来ませんかというお誘いを受け移転を決めました。 現在の場所は、市街地と農村の間のようなところです。周りは田んぼや畑が多く、住宅街ではありません。静かな環境の中で、ゆっくりとパン作りができるのが気に入っています。 |